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牡羊座(Aries)
ボイオティア王の息子のプリクソス、その双子の妹ヘレが、継母であるイノによりいけにえにされそうになったときに、ゼウスが金の毛を持つ雄羊を二人の元に送り、二人の逃亡を助けたとされています。
なおヘレは逃げる途中で海に落ち、亡くなりました。この雄羊が星座となったのが牡羊座です。
まっすぐに目標へ向かい、ひたすらに進むその姿は牡羊座の性格そのもの。寄り道はせず、その視線は前にしか向かっていないのです。勇気を持ち果敢に戦いに挑むスピードダッシュは誰にも負けませんが、持続できるとかというと難しいものがあります。
活動宮の火の星座なので、導火線についた火のように勢いをつけて燃えていきます。火星に支配されているので、アレスのようにストレート。曲がったことは好きではありません。

牡牛座(Taurus)
ゼウスがエウロパという娘に恋をしたとき、牡牛の姿で近づいて油断させエウロパを牡牛に乗らせると、エウロパを誘拐してしまいます。その牡牛の姿をゼウスが星座にしたのが牡牛座です。
牡牛座は牧草を食む牛のごとく、ゆったりといろいろなものを楽しむのが好きです。恐怖や危険といったものとは無縁な世界で、自分の空間を好きなもので埋めるのに喜びを感じます。
不動宮の地の星座なので、じっくりと時間をかけて慎重に歩みを進めます。焦らさせたり、自分のペースを乱されるのが苦手です。金星に支配されているので、アフロディーテのように五感を楽しませてくれるものが大好きです。

双子座(Gemini)
有名な双子カストルとポルックスは双子座の星座です。カストルは人間を父としますが、ポルックスは神であるゼウスが父です。
戦いで命を落としますが、神の血が流れるポルックスは死ぬことがありません。カストルだけが死ぬのは耐えられないと、カストルが地上に出る間は自分が死を体験したいのだという願いをゼウスに聞き入れてもらいます。
そんな双子座はやはり誰かと一緒にいておしゃべりをするのが好きな星座です。新しいものへアンテナを張り巡らし、興味対象が次から次へと変わっていきますが、ひとつのことを長続きさせるのは得意ではありません。
柔軟宮の風の星座なので、あっちだこっちだと情報収集に敏感です。水星に支配されているので、ヘルメスのようなフットワークの軽さを持ち得ています。

蟹座(Cancer)
ゼウスの妻であるヘラは、ゼウスと愛人の子であるヘラクレスを嫌っており、どうにかしてあの世へ送りたいと考えていました。そこで、蟹を送り込んでヘラクレスの足を切ろうとしますが、ヘラクレスはそんなことには気づかずに蟹を踏み潰してしまいます。この蟹が天に送られ、星座となりました。
ヘラに献身的に支えようとした蟹のように、蟹座は献身的です。守りたいと思う相手のことなら、身を呈してまでも守ろうとします。愛するものを守ろうとする勇気の持ち主ですが、反面打たれ弱く脆いところがあるので、守られたいというニーズも抱えています。
活動宮の水の星座なので、気持ちのことに関してはすぐに反応を示します。月に支配されているので、アルテミスのように優しい部分と本能的な部分を備えています。

獅子座(Leo)
ヘラクレスの12の冒険における最初の試練は、ライオン退治でした。ヘラクレスの奮闘によりライオンは退治されますが、そのライオンが空に昇り、獅子座となっています。
百獣の王ライオンのように、獅子座はリーダーシップがあり、いつも注目を集めています。
自信を持ち、自分を表現することにもオープンですが、他人に指図されるのが嫌いです。まるで自分がストーリーの主人公のように、キラキラと輝くことを望んでいます。
不動宮の火の星座なので、ペチカのように暖かいときもあれば、火柱のように猛威をふるうことも。太陽に支配されているので、アポロンのようなアーティスティックな面も兼ね備えています。

乙女座(Virgo)
人間がどんどんと欲を出し、争いなどが生まれるようになったため、神々は人間の元を去っていきますが、最後まで人間を見捨てずに残ったのが正義の女神アストライアーだと言われています。
しかし、彼女も最後には天秤を残して去ってしまうのですが。。このアストライアーが乙女座と言われています。
乙女座はきちんと順序よく物事をこなす縁の下の力持ちのような星座です。完璧主義者で、分析能力にも優れているので、ときに批判的になるときもありますが、頼まれると嫌と言えない性分の頑張り屋さんでしょう。
柔軟宮の地の星座なので、状況に合わせて自分のできることを瞬時に判断し、周りの役に立つように動こうとする性質があります。水星に支配されているので、ヘルメスのように情報解析に長けています。

天秤座(Libra)
乙女座にあるアストライアーが人間はもう救えない存在なのだと地上を去ったとき、残していった天秤が天秤座になりました。
天秤のようにあらゆるもののバランスを取ることを好み、その感覚は美的感覚やコミュニケーション能力に反映されています。争いごとを嫌うため、常に中庸で偏ることをしませんが、それが優柔不断だと見なされることもあります。
なお、天秤は正義のシンボルでもありますので、天秤座は正義や裁判と結び付けられることがあります。
活動宮の風の星座なので、コミュニケーションには積極的ですが、和平を重んじるためか、積極的受け身のスタイルを取ることが多くあります。金星に支配されているので、アフロディーテのように華やかなことが大好きです。

蠍座(Scorpio)
オリオンの性格に耐えきれなくなったヘラは蠍を送り込み、その毒でオリオンを殺します。この功績が認められて、蠍は蠍座になりますが、アルテミスは殺されたオリオンのことを哀れみ、天に上げオリオン座としています。
蠍座は砂漠に隠れるサソリのように、あまり派手な行動はしません。しかし内に秘めたものはとても深く、ときに人間の暗部までも見透かす洞察力を備えています。
オープンではないため、一見すると冷たく感じるかもしれませんが、心を許した相手には尽くそうとします。
不動宮の水の星座なので、一度感じ取ってしまったことを変えるのは至難の技です。反面秘密などは守り通りしてくれる義理堅さを持ち得ています。
火星と冥王星に支配されているので、アレスのような攻撃性のほか、ハデスのように他者を慈しむ心を持っています。

射手座(Sagittarius)
ケンタウロスのカイロンが、教え子の放った矢により致命傷を負い、命を捨てて天に上がったのが射手座です。
射手座はカイロンのように学ぶのが好きで、哲学や思想に興味がありますが、ケンタウロスとしての野性味あふれる部分も備えています。冒険が好きで、見たことのない領域に足を踏み入れるのが好きですが、その期待だけが先行してしまうこともしばしばあります。
柔軟宮の火の星座なので、その情熱は花火のように高い部分へパーッと大きく放たれますが、すぐ後に他のところで花火を放っていることも。木星に支配されているため、ゼウスのようにあれもこれもといろいろ拡大していく傾向にあります。ゼウスやケンタウロスのように大騒ぎするのが大好きです。

山羊座(Capricorn)
神々がナイル川で宴会をしていたとき、突如怪物が現れてみんな逃げようとしますが、牧神パンは慌てて魚に変身しようとしたために、上半身ヤギ・下半身魚の姿となり、それをゼウスが大笑いして天にあげて星座にした、という話があります。
山羊座はこの神話があるせいか、失敗をしないようにと常にプランBを持ち、準備に余念がありません。
時間がかかっても着実に自分のものとできる道を選びますが、野心的・コントロールしすぎと見なされてしまうこともあるでしょう。責任感があり、できると言ったことはやりぬく努力を怠りません。
活動宮の地の星座なので、真面目にコマを進めていく性格です。土星に支配されているため、クロノスのように義務感を持ち堅実に対処していきます。

水瓶座(Aquarius)
ゼウスに神々の酒ネクタールを給仕する役をしていたヘーベーがヘラクレスの妻となったとき、給仕する役がいなくなったため、ガニュメデスという若者を誘拐し、この役を与えました。
ガニュメデスには永遠の若さと不死の身を与えられます。これが水瓶座となりました。
水瓶座は理想を持ち、未来を見つめています。自由を愛し、独立心も旺盛なため、何かに縛られるのは苦手です。個性を大切にしていますが、そのせいか変わり者と見なされることもあります。
不動宮の風の星座なので、自分の意見に関しては譲れないところがあるでしょう。土星と天王星に支配されています。クロノスとウラノスの相反する性格から、いかにして個性を手に入れるか、がテーマの星座とも言えるでしょう。

魚座(Pisces)
ナイル川での神々の宴会で怪物に襲われたとき、アフロディーテとその息子エロスは離れ離れにならないようにと、お互いをリボンで結びました。その姿が魚座です。
魚座は繊細でデリケートな面があるため、自分とは直接に関係のない悲しい出来事に胸を打たれて涙することもあります。現実離れしたところがあり、夢や空想を愛するため、アーティスティックな素質を備えています。
優しく共感性があるので、いろいろなことを受け入れる心の広さも持っています。
柔軟宮の水の星座なので、いろいろな感情を抱き、複雑な部分もありますが、相手の痛みを分かち合おうとする慈悲の精神の持ち主です。木星と海王星に支配されているため、ゼウスのように寛容ですが、ときにポセイドンのようにあれこれ空想を繰り広げます。