心理占星学、すなわち心理学的なアプローチを取り入れて占星学に取り組むこの手法は、現代になってから登場してきたものになります。心理学の台頭とともに、そういった「心」の部分にフォーカスするという傾向が星の世界でも高まってきたからかもしれません。心理学者カール・ユングがホロスコープを用いて人間の心理を研究した、という功績ももちろん含まれていることでしょう。それまで吉だ凶だと見なされてきた星たちに元型(アーキタイプ)があるのだとし、各惑星により象徴されるわたしたちの中のいろんな面が、内部でガヤガヤと騒ぎ立てたり、笑ったり、泣いたり、いがみあったりしているのを「なぜそうなのか」「その背景には何があるのか」という部分を掘り下げていく。簡単に言えば、心理占星学とはこのようなものだと思います。

ネイタルチャート(出生時のチャート)では、それぞれの惑星の元型は、それらが星座や他の惑星とのアスペクト、家族構成や社会背景などの影響により、個人ごとに様々な顔を見せるようになります。同じ星座に同じ惑星があったとしても、個人で見せる顔は様々です。なので、わたしたちの性格や傾向も複雑で、あることには積極的であっても、違うことには引っ込み思案だったりすることがあるのです。そして、他人から見ればどうでもいいようなことに過敏に反応したり、非情なまでに冷徹になったりする。これがコンプレックスと呼ばれるもので、様々な感情が絡み合って成り立っているものです。ときには自分の中にある「何か」を相手に投影し、相手に勝手に何かのイメージを持つ。そう行ったことが占星家とクライアントの間で起こると、転移または逆転移という過去の関係のやり直しが行われたります。

何かの問題にぶつかったとき、そこには何か原因があるのではないか? 過去の出来事があなたを捉えて離そうとしていないのか? 抑圧されたものがあるのか、コンプレックスか、シャドウか、はたまた投影をしているのではないか? そういったことをチャートを読みながら、クライアントと一緒に考えて解き明かしていきます。答えはクライアントが見つけなくてはいけません。アドバイスはもらえないの? 将来のことはわからないの? なんてことも聞きます。しかし、そういったものはクライアントしか見つけられないことでもあったりします。占星家はそれのお手伝いをするガイドの役割を担います。